2017-2019年度に実施した「JST科学技術コミュニケーション推進事業」の最終報告書と最終ヒアリング評価が、JSTウェブサイトに掲載されました。 3年間の活動を総括しています。
■JST科学技術コミュニケーション事業 平成29年度採択(未来共創イノベーション活動支援)「水の環でつなげる南の島のくらし」(報告書の閲覧はこちらから)
2017-2019年度に実施した「JST科学技術コミュニケーション推進事業」の最終報告書と最終ヒアリング評価が、JSTウェブサイトに掲載されました。 3年間の活動を総括しています。
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【お知らせ】参加機関 湧き水fun倶楽部が湧き水マップを発刊
本事業の参加機関である湧き水fun倶楽部が、
沖縄県内の湧き水の文化や歴史、自然環境などを紹介する湧き水マップを発刊しました。
ぜひ、ご活用ください。
湧き水fun倶楽部からのメッセージ
「春休み!沖縄の湧き水を訪ねてみよう♪」
環境省の調査によると、沖縄には1238件の湧き水があります。
その中から、比較的訪れやすい湧き水10カ所をご紹介しています。
沖縄の湧き水に触れ、水のすばらしさを実感してもらえるとうれしいです。
*パンフレット(PDF版:両面印刷用、抜粋版1、抜粋版2、抜粋版3)
湧き水fun倶楽部ウェブサイト
https://wakimizufun.ti-da.net/
日時 令和元年10月19日(土)10:00-12:30
場所 理系複合棟202教室
対象 教員、その他
内 容 アクアスフィア水教育研究所の橋本淳司代表をお招きし、水道法 改正に伴う日本のこれからの水道供給事業についての講演を行っていただいた。 各自治体がおこなってきた水道供給事業は、施設の老朽化、人口の減少といったことにより財政的に破綻、あるいは大幅な水道料金の値上げが差し迫ってきている。この問題を解決するために、民間企業の参入を可能にした水道法が改正された。しかし、海外での先行事例では、そのほとんどが大きな問題を抱えていた。予想に反して、大幅な料金の値上げ、水質の悪化、国民全体が広く恩恵を受けるべき水道が、一部の都市市民しか利用できないなどの問題が生じている。このため、ヨーロッパなどでは、再度水道事業の公営化が行われている。日本においては、宮城県が民間企業の参入に向けた取り組みを実施しており、これが実現すると日本初となる。このような危惧すべき問題とそれに対応する解決策等の講演を行っていただいた。
日時 令和元年10月7日(水)13:30-15:30
場所 理系複合棟615室
対象 教員、その他
内 容 一般社団法人コンセンサス・コーディネーターズ代表理事の桑子敏雄氏(東京工業大学名誉教授)をお招きし、環境に配慮した都市や地域づくりにおける社会的合意形成マネジメントのあり方を話題提供いただき、議論しました。桑子氏は、新潟県佐渡市をはじめ、様々な地域の行政や企業、学校との橋渡しをしながら環境共生社会の構築を実現するための実装的研究を行ってきました。今回のワークショップでは、その過程で明らかとなったステークホルダーとインタレスト分析の徹底、すなわち100人ぐらいのリストを作成し、重み付けをするなど、具体的なマネジメントのアドバイスをいただきました。
主催 水の環プロジェクトチーム
話題提供:橋本淳司 氏(水ジャーナリスト/アクアスフィア水教育研究所代表)
日時 10月19日(土) 10:00ー12:00
場所 琉球大学理学部C114教室(理学部正面玄関横)
対象 学生、教員、その他
内容 上映会&著者による解説ー『どうする?日本の水道ドキュメンタリ―自治・人権・公共財としての水を』
2018年12月、水道法が改正されたことをご存知でしょうか。沖縄に住む私たちの暮らしとどのような関係があるのでしょうか。ドキュメンタリー映像の上映後、全国の水問題を取材されている橋本淳司氏を囲んで、私たちの暮らしと水との関わりについて一緒に考えてみませんか。
※本ワークショップは、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 平成31年度「科学技術コミュニケーション推進事業未来共創イノベーション活動支援」 「水の環でつなげる南の島のくらし」(代表 理学部 新城竜一)の一環として実施します。
表題に関して、下記琉球大学のホームページに載されましたので、是非ご覧ください。
2019年11月17日(日)に東京お台場で開催される、日本最大級のサイエンスコミュニケーションイベント「サイエンスアゴラ2019」で、このボードゲームをもとに「南の島の“ぬちぐすい(命の水)”を守れ!〜ボードゲームから考える水と私たちのくらし〜」と題した研究成果報告会を行います。
サイエンスアゴラ2019 ワークショップ
「南の島の“ぬちぐすい(命の水)”を守れ!〜ボードゲームから考える水と私たちのくらし〜」
日 時:2019年11月17日(日)10:30~12:30(会場受付 10:20〜)
場 所:テレコムセンタービル8階 セッション(会議室D)
東京都江東区青海二丁目5番10号
主催 水の環プロジェクトチーム
日時 9月7日(土) 13:00-16:00
場所 沖縄キリスト教学院大学教室(南1-2,1-3)
今回のみずのわ教室では,金沢工業大学・学生プロジェクト「SDGs Global Youth Innovators」(以下,GYIs)の青木 啓人(あおき ひろと)さん(金沢工業大学 経営情報学科 4年)辻 弥(つじ わたる)さん(〃2年)を招へいし,彼らが開発したカードゲーム『THE SDGs Action cardgame「X(クロス)」』(以下、X)に取り組み,サイエンス・コミュニケーションツールの作り込み方やファシリテーターの育成方法などについて学んだ。「X」は,SDGs[i]の理解と取組の促進のために開発されたカードゲームで,ビギナーコースとアドバンストコースがある。まず,アイスブレークを兼ねて,ビギナーコースでゲームのルールを学び(写真1),次にアドバンストコースでオリジナルカードを作製して,さらにSDGsについての理解を深める構成となっている(写真2)。
写真1:ビギナーコースの様子。まだ少しプレーヤー同士の距離を感じる。プレーヤーが持っている青い枠で囲まれた既存のカードを思いついた順に一枚ずつ出して,真ん中に置かれたトレードオフカードの課題の解決に取り組む。縦方向に3名がチームとなって,協力して課題の解決を目指しているところ。2番目以降に出すプレーヤーは,それ以前に出されたリソースと組み合わせて考えなければならないので,2番目以降の人の方がハードルは上がっている。
ゲームの内容としては,トレードオフカードとリソースカードがあり,トレードオフカードにはSDGsの目標の裏表(例えば,途上国支援をしたら,支援を受けた国民が働かなくなった,など)があり,リソースカードには様々なツールやアイディアが記されている。リソースというのは,例えばAIや火星探査機のような最先端技術などが挙げられるが,その他にも「美しい海」や「ゆいまーる」といった地域特有の自然環境や文化的資産も含まれる。ゲームのクリア条件としては,それらのリソースを組み合わせることでトレードオフカードが示す新たな社会課題を解決しよう,という協力型の設定がなされている。世の中に生じる新たな社会課題に対して,複数のツールやアイディアを組み合わせることでブレイクスルーを目指すという,これから先の社会人に求められている力を養うことができる。
写真2:アドバンストコースの様子。プレーヤーが持っている青枠で囲まれた既存のカードよりも一回り大きい白いカードが,自分たちで考え出したオリジナルのリソースカード。これらを使って,真ん中に置かれたトレードオフカードに記された難題に立ち向かう。
今回招へいした青木さんらが所属する金沢工業大学・経営情報学科は,2016年に新設され,これからの社会に必要となるであろう「SDGs達成に貢献する次世代リーダー」の育成も一つの目標となっている。青木さんも,まさにその一人であり,金沢工業大学が2018年1月に受賞した第1回「ジャパンSDGsアワード」SDGs推進副本部長(内閣官房長官)賞の受賞理由にも大きく貢献している。来年度からは,大学院への進学も決め,さらにファシリテーター[ii]としてのスキルアップとSDGsの普及に力を入れてゆこうとしている。
彼らが所属している学生プロジェクト「GYIs」も,毎年新しい賛同者が加入してきており,今回ファシリテーターの青木さんをサポートする役割で来沖した辻 弥(つじ わたる)さん(金沢工業大学 経営情報学科 2年)もその一人である。「GYIs」の持続可能な活躍と展開が伝わってくる。琉球大学からも,中尾海斗(なかお かいと)さん(琉球大学 国際地域創造学部 1年)がゲーム進行のサポートを積極的に行って,みずのわプロジェクトの持続可能な発展を支える人材育成の端緒となる働きを見せてくれた。これからも,みずのわプロジェクトに賛同する新しい水の環・人の環を拡げてゆきたい。
なお,今回のみずのわ教室で,学生に引率して来沖した北川 達也(きたがわ たつや)さん(金沢工業大学 経営情報学科 講師)は,持続可能な投資(ESG:環境,社会,ガバナンスの略)についての教育・研究を担当している。一方で,扇が丘キャンパスに設立された金沢工業大学・地方創生研究所・SDGs推進センターにも参画しており,学生プロジェクトの指導・サポートも行っているという。今回のみずのわ教室においても,あくまでも裏方に徹する形で,学生を前面に押し出し,プロジェクトの活動を温かく見守る姿は,次世代リーダーを育成する上で必要な教育者として見習うべき姿勢だと感じ,沖縄に招へいした。今回のみずのわ教室が充実した取組にできたことは,こういった水の下でも支えてくださっている人の環によるところが大きいのだと思う。この場を借りて,感謝を申し上げたい。
[i] SDGs:持続可能な17の開発目標と169のターゲット(Sustainable Development Goalsの略)であり,2015年に国連が定めた行動指針の一つ。発展途上国の底上げと先進国のよりよい暮らし,さらには共通の課題として「気候変動」や「海洋・陸上資源」といった目標が設定されており,2030年までの到達目標として,世界中で取組が開始されている。日本では,内閣総理大臣を本部長とするSDGs推進本部が中心となって進められてきており,2017年には吉本興業が普及活動に参加したことでも話題を呼んだ。なお,吉本興業は第1回「ジャパンSDGsアワード」SDGsパートナーシップ賞(特別賞)を受賞している。
[ii] ファシリテーター:ルールの説明や時間配分の管理,世界観の導入といったゲームの進行役であるだけではなく,ゲームの後には必ず振り返る時間を設け,単なるゲームで終わることがないように効果的な学びや気づきを導き出すサイエンス・コミュニケーションにおけるキーパーソン。ゲームを楽しく行うと共に,多くの学びや気づきにつなげることができるかどうかが,彼らのスキルにかかっている。
日時 令和元年7月31日(水)14:00-16:00
場所 亜熱帯島嶼科学拠点研究棟3階
対象 学生、教員、その他
内 容 (株)地圏環境テクノロジーの田原康博社長をお招きし,統合型水循環シミュレーションモデル(GETFLOWS)の理論と適用例を紹介して頂きました。『GETFLOWS(ゲットフローズ)』(GEneral purpose Terrestrial fluid-FLOW Simulator)は,陸域で生じる様々な水問題(水資源,水環境,水災害)において要請される実用的かつ客観的な水文・水理モデリングに供する事を目的として開発されたものです。本ワークショップでは,主に,亜熱帯島嶼の水資源の枯渇や汚染の問題にGETFLOWSを適用した際の利点などについて意見交換を行いました。以下に要点をまとめます。水循環プロジェクトの対象地域である八重瀬町の主要な水資源は地下水であり,その地下水は非常に不均一性の高い琉球石灰岩に賦存されています。水資源の持続可能な利用には,目に見えない地下水の流れや汚染物質の発生・輸送プロセスの定量的な把握が必要です。地下水の流れを可視化できれば,地域住民に水資源の現状を分かりやすく伝えることが可能となります。あわせて,それらのデータを地域住民と共有することで,ステークホルダー間の合意形成に基づいた,汚染物質の効果的な負荷軽減対策の立案や実施が容易となります。また,負荷低減策の評価(水質モニタリング)にも有効であると考えられます。今後,本プロジェクトでもGETFLOWSの利用を進めて行きたいと考えています。
写真1 講演風景
主催 水の環プロジェクトチーム
場所 沖縄キリスト教学院大学教室(南1-2,1-3)
対象 学生、教員、その他
内容 水の環プロジェクトでは、島嶼地域の健全な水環境のあり方について、あらゆる立場や世代の人たちと一緒に考えるためのコミュニケーションツール(ボードゲーム)を開発しています。本企画では、金沢工業大学SDGs推進センターの学生プロジェクトメンバー(SDGs Global Youth Innovators)を招聘し、彼らが開発したSDGsカードゲームを体験します。ゲーム開発の経緯や、考え方、手法など、先行事例から学び、水の環ボードゲームの改良に活かすことを目的とします。
※本ワークショップは、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST) 平成31年度「科学技術コミュニケーション推進事業未来共創イノベーション活動支援」 「水の環でつなげる南の島のくらし」(代表 理学部 新城竜一)の一環として実施します。
日時 7月2日(火) 12:50-14:20
場所 琉球大学共通教育棟3-104教室
対象 学生、教員、その他
活動内容:
島政府や企業が整備する様々な設備は、大量の自然資源を必要とすると共に、地域の自然環境や社会生活に多様な影響を及ぼします。今回のワークショップでは、アメリカ領グアム島の調査研究を重ねてこられた西佳代先生を講師にお迎えし、軍事インフラと地域の自然・社会の歴史について理解を深めました。ご講演では「環境史的アプローチ」から、グアム島の軍事基地化がいかに進んできたのかを、革新主義の時代、保全主義的な水源開発の時代、そして「ワン・グアム」の時代と分けて、話を伺いました。総勢で約60名が参加し、参加者からはグアムの歴史や水の保全・利用について、とても勉強になった、という声が数多く寄せられました。
写真1 講演風景